最近、電王戦というコンピュータ対プロ棋士の対決もあり、コンピュータ将棋の世界に興味が湧いた方も多いと思います。
 私もその一人で、一番気になったのは、コンピュータがどのようなアルゴリズムで将棋を指しているのか?でした。それが知りたくて色々書籍を読んだのですが、その中で一番わかりやすかった本「人間に勝つコンピュータ将棋の作り方」を紹介したいと思います。

購入情報

購入時期:2013年4月16日
購入形態:Amazonで新品を購入
購入価格:1,974円

本書の概要

目次は以下のとおり。

  • 第一章:負け続けた35年の歴史
  • 第二章:コンピュータ将棋のアルゴリズム
  • 第三章:激指の誕生
  • 第四章:YSSの誕生
  • 第五章:GPS将棋の誕生
  • 第六章:数の暴力で人間に挑戦!Bonanzaの誕生
  • 第七章:文殊の誕生、あから2010の人間への挑戦
  • 第八章:習甦の誕生
  • 第九章:プログラムの主戦場Floodgateの切磋琢磨
  • 第十章:コンピュータ将棋の弱点を探る
  • 第十一章:女流王将戦一番勝負
 まず一章でコンピュータ将棋の歴史を概観したあと、二章でコンピュータ将棋を理解するためのひととおりのアルゴリズム(評価関数、αβ木探索等)を説明しています。
 三~八章が二章を踏まえた上での各将棋ソフトの特徴の説明で、九章が将棋ソフト同士の自動対戦の場であるFloodgateの説明、十章が対人間の実際の棋譜を元にしたコンピュータ将棋の弱点の説明、最後の十一章が2010年に行われた清水女流王将対「あから2010」との対局の解説という構成になっています。
 
 構成からわかるように、人間対コンピュータの対決における人間模様だけでなく、各将棋ソフトのアルゴリズムの中身にまで踏み込んだ内容になっています。

コンピュータ将棋の書籍は最近色々出ていますが、どちらかというと先日行われた電王戦等の対コンピュータの人間ドキュメント的な内容が多いです。 逆にアルゴリズムについて記述した本については、数学やC言語等の前提知識が必要な内容が多いのですが、本書はそのような前提知識がなくても、コンピュータ将棋のアルゴリズムや機械学習の内容をある程度理解できる内容になっていると思います。

どういう方にオススメか?

コンピュータ将棋でよく出てくる、評価関数とか機械学習って結局何やってるの?ということが知りたい人には「人間に勝つコンピュータ将棋の作り方」を読むことをおすすめします。