山崎元さんの著作「全面改訂 超簡単 お金の運用術 (朝日新書)」を最近読みました。内容は同氏のネット上の記事

第223回 インデックス運用が最強である理由 | 山崎元「ホンネの投資教室」 | 楽天証券

等にもありますが、要点をまとめると

  • 手数料の高いアクティブ運用より手数料の安いインデックス運用で十分
  • 税金前払いの分配型投資信託は明らかに不利
  • リスクを取れない資産は個人向け国債やMRFで運用

といったところです。資産運用を考えている人なら上記は基本的な考えとして知っておくべき内容だと思います。

ただこの本を読んで
インデックス運用というのは、デジタルが回るブラボーキングダムを打つようなもの
だなと、なぜか昔のパチンコ台を思い出しました。

■ブラボーキングダムとは?


そもそもブラボーキングダムって何?ということなのですが、昔ちょっとしたブームになったパチンコ台(いわゆるデジパチ)です。



簡単にデジパチを説明すると、玉がチャッカーに入るとデジタルが回転し、一定確率(ブラボーキングダムだと225分の1)で大当たりです。一回当たるとおよそ6,000円相当の玉がでるので、6,000円投資して、デジタルが225回以上回れば確率上は元が取れるという計算になります。

ただこれはあくまで計算上のことであり、実際のブラボーキングダムという台は一度当たると連チャンしまくりで大儲け、当たらない時は何千回デジタルを回しても当たらないという、非常にギャンブル性の高い台でした。


■ブラボーキングダム連チャンの仕組み


なぜ確率225分の1にもかかわらず、大当たりに連チャンが発生するかはこのページ等に詳しく書かれていますが、簡単に言うと以下のとおりです。

  • 抽選時のモードが9つに分かれている
  • その内の一つのモード時のみ25分の1で大当たり(天国モード)
  • 残り8つのモードでは何回回しても当たらない(地獄モード)
  • モードが切り替わるのは保留ランプが3つ以上ついた時にリーチが外れた時のみ

要はトータルの確率は225分の1であっても、実際は天国モードの時に打たないと何回回しても当たらないという恐ろしい台でした。逆に上記の仕組みを知っていれば大当たり後保留ランプがなるべく点かないように打つことで連チャンを誘発できたので大儲けした人もいたと思います。


■インデックス運用も結局買うタイミングで勝敗が大半決まってしまう


インデックス運用はこれほど極端ではないでしょうが、本質は似たようなものです。

例えば「1306 TOPIX連動型上場投資信託」の値動きを見ると、

2007年:1800円→2012年:700円台→現在は1200円台

とかなり激しく動いています。

株式投資で期待できる利回りは、平均すると年に金利+5%程度が定説だと本書で説明されていますが、これを無理やりブラボーキングダムに当てはめると、

6,000円でデジタル225回転→期待値100%

期待値を105%にするには
6,000円÷1.05=5,700円

となります。つまり株式のインデックス運用は5,700円の投資でデジタルが225回転する程度デジタルがよく回る台でブラボーキングダムを(上記の連チャンの仕組みを知らないで)1日打つようなもので、ブラボーキングダムが天国モードの時に打たないと何時までたっても当たらないのと同様、インデックス運用も結局買った時期で勝敗は殆ど決まってしまいます。

先のブラボーキングダムに例えると2007年はまさに地獄モードで、この時期に買った人は5%の利回りどころか元本すら危ないですし、一方2012年の700円台は天国モードで、この時期に購入した人は余程運が悪くない限り5%を大きく超える利回りが期待できると思われます。

今は天国モードなのか、地獄モードなのか?がわかればいいんですが、こればかりは誰にも分からないですよね…。


■とは言え、この本は資産運用を考えている人はぜひ読むべき

とまあ昔話等色々書いてしまいましたが、この本自体の内容を否定するものではないです。
わかりやすいですし、資産運用を考えている人は基本知識として本書の内容は理解しておくべきだと思います。




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